仕事の形態・契約の話(IT関係の業務請負、派遣さん向け)


フリーランスのデザイナーまたはエンジニアの方々、特に技術だけの経験しかない人向けに。ちょっと基本的な「契約」の話をしておきます。

【基本的で重要なこと】
自分自身を守るため、あなたの「契約」内容を、まず頭に入れて仕事してください!

このことについて、意外と(今の)派遣さん自身が把握していないことも多いです。注文を出した企業、委託会社(就業場所)の社員さんが雇用関係・指揮命令権がないにも関わらず、こちらに仕事・指示を出してきて、それをそのまま引き受けてしまうなど。
(あなたのクライアントは一体誰ですか?)
誰からの依頼で「業務請負」、または「業務委託」や「準委任」、あるいは「労働者派遣」の契約で職場に入るのか。まずはこの点を頭に入れていただき、就業していただきたいと思います。

  • 派遣スタッフ登録されている方が、「労働者派遣」で依頼主と契約し、就業場所が依頼主の会社ではなく、依頼主が「業務請負」で受託した相手先企業のオフィスということは多々あります。なお、この場合の指揮命令権は、就業場所の相手先企業にはありません。(指揮命令権がない=雇用関係にない)
  • 上記の例で、仮に就業場所の相手先企業が業務請負の労働者に指揮命令を行っている場合は「偽装請負」と見なされます。(罰則あります)
  • 派遣さんが(指揮命令権がない/雇用関係にない)業務委託元の相手先企業の社員から業務命令等を受けた場合は「二重派遣」とみなされる可能性があります。(相手先企業の社員が派遣さんだった場合、より認定されやすい/これも違法行為・罰則ありです)

IT企業では、自社の従業員(技術者)を相手先企業の現場に「常駐」させて、請け負った業務に係る作業を行わせている形態が多く見られます。この時の契約が「労働者派遣」で相手先企業の社員と(ほぼ)同等の身分で仕事に就くか、あるいは「業務請負」で、あくまで外注さん(協力会社/者)として仕事に関わるかに分かれます。

仕事を発注する相手先企業にとっては、自分たちのペースですべての作業を進めていくことが効率的である、仕事をもらう側のIT企業がその要望を断れないこと、断りにくいこと、または【基本的で重要なこと】として最初に書いたことが、そもそも労働者自身の頭にないということが「偽装請負」や「二重派遣」といった問題を引き起こす根底にあるのでしょう。(これは同時に、労働者を受け入れる企業側担当者の認識の無さも…デス)

これらのことは、仕事がうまく回っているときは問題にされにくいのではありますが、労働災害が発生した場合の責任の所在が曖昧になる・曖昧にされてしまうリスクがあるんですよね。(なぜなら、労災保険を使用する際に、事故発生の経緯を示す必要があり、その際に違法行為が行われていたことが明らかになってしまうため)

最悪、労働者が労災保険の給付を受けることができなくなるケースが発生しかねません。コンピューター等の物品を落とすなどして業務中に壊してしまった場合も同様です。

契約の種類と内容を知らず、そのリスクを理解しないで仕事をしてしまい、余計な業務や責任を負ってしまう人をよく見かけます。まぁ、そういう人がいるチームや職場は、結構な割合で地雷(?)だったりしますので、みなさま、どうぞお気をつけて…と私は言いたいです。

(成果よりも努力を評価する傾向が強い日本人の国民性や文化、教育(道徳観)のせいだと思うけど、外資系と比べて、日本企業は地雷が多めな印象です…)

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